なぜか人材面になるとPDCAが廻らない製造業の会社に起こっていること

製造業には、色々なフレームワークが使われている。

 

現在に至るまで日本の製造業の生産性や日本製の製品の品質はいまだにトップクラスである。これは、さまざまな5S、なぜなぜ分析、PDCA、視える化等のフレームワークが存在し、ある程度機能しているからである。主に品質管理部門で使われているQC7つ道具の様な問題分析・解決の手法も、ビジネスの様々な分野で起こる問題解決にも応用が利く。

 

なぜなぜ分析は、問題の真因を発見するためのフレークワークである。自動車業界などでは、品質不良を出してしまうと、このフレームワークに基づき、流出原因だけでなく、発生の根本の原因である真因を解明し、効果的な対策を策定することが求められる。

 

これを愚直にこなしてきたからこそ、今の日本の製造業の品質面にはまだ強さが残っている。

 

ただし、

 

日系企業だけではないのかもしれないが、いざこれが人材面になると、とたんにこのフレームワークが機能しなくなる。

 

今、私が働いている会社では、営業や設計などの20代後半から35歳ぐらいまでの実務上、一番大事な中堅どころの世代が大量に退職をしている。

しかし、いまだにその問題の原因が分析されることも、対策が考えれることも、対策が実行される気配もない。(私が知らないだけかもしれないが・・・)

 

いや、そもそも、この様な状態が問題視されることもない。

 

私が数人ヒアリングしたところ、一番の原因は、長時間労働(残業代は全額支払われている)であることはほぼ間違いない。現場クラスのみが出席し、決断できる人間が参加しない無意味な会議、誰もみない資料、経営会議用に色々な部署から同じ様な資料を別々に求められる等の工数うが

 

 

マネージャークラスが、「あぁ、また辞めたか。うちの会社はダメな会社だからなぁ。」等である。

本来、マネージャークラスの権限があれば、少なくとも自分の部下の仕事環境ぐらいは改善を働きかけることができるにも関わらずだ。

 

5年~10年強も会社で働いてくれて、自社の製品やサービスを熟知している人間を、長時間労働だから等の理由で失うことの金銭的損失、機会的損失を考えたら、もっと真剣に対策を練るべきだと思う。

 

そこで、私もこの会社に見切りをつけることにした。

 

この会社の状況は以下の通りだ、おそらく、世の中の大半の会社もこんな感じではないだろうか。

 

社長 → 裸の王様 指示する内容は取締役に対して、「結果を出せ!」と言うだけ。いざ、自分が陣頭指揮を執ってもおそらく結果は出せない。

取締役、執行役員 → 社長の「結果を出せ!」という指示を部長以下の現場に丸投げするだけ。自分は、後5年の会社人生を逃げ切ることしか考えていない。

・部長、課長 → 上司の「結果を出せ!」という指示に対して、どうすれば良いのかわからない人たち。お金がかかる高校生、大学生の子供がいて動きが取れない。転職活動をしようとすると、年収が下がるか、そもそも、他社でも通用する様なスキルがないから会社に居座るしかない。

・中堅(20代後半)~係長 → 実務を一手に追う世代。長時間労働になりがち。 

・新入社員~入社3年目 → 仕事はまだ一人できない。どんどん辞めていく先輩たちを見て不安になる毎日。直属の上司の課長も現場から一線を退いており、教育や指示の内容も的外れで時代遅れの場合も多々ある。第二新卒予備軍。

 

今起きていること、大量の実務ができない(もしくは指示することになれて実務をやりたくない)課長たちと経験がなくて本当に仕事ができない新入社員たちで会社を廻さざるを得ない現実。