OJTという名の放置プレー

ブラック企業とは言わなくても、新人を悩み苦しませるのがOJTという名の放置プレーである。

 

私が営業部に配属されて仕事を始めた時にも、体系だった教育や研修のシステムは全くなく、雑用(最初の仕事は社用車の洗車だった。)や電話番ならまだしも、いきなり担当の顧客をまかさた。

 

当時の上司(営業所長)に対して、「私みたいに右も左も分からない人間がお客さんといきなり接してもいいんですか?」と聞いたところ、「いいんだよ。みんな社内やお客さんに怒られて一人前になるんだ。」と言われ、それ以上何も言えなかった。

 

また、色々な仕事をふられ「あれをやれ、これをやれ。」とだけ言われたものの、何をどうやってやるのかを一度も教えてもらったことがなかった。

 

全く何も教えずにただ「やれ、やれ。」というだけの上司の机を何度も叩こうと思ったし、泣きそうになったことも幾度となくあった。

 

先輩からは、「分からなければ遠慮なく聞けよ。」とも言われた。

 

これも一見すると優しいフレーズに聞こえるが、新入社員の頃は、自分が分からないかが分からないために、的確な質問ができないならまだしも、何をどう質問したらいいのかすらわからなかった。

 

今となっては、優しい言葉どころが、新入社員に対して言うには、無責任な言葉だなぁと思う。

 

このようなもどしかしさをみなさんは感じたことがあるだろうか?

 

また、「一年目は新入社員だから、質問したって恥ずかしくないし、多少の失敗を目をつぶってもらえるけど、それも最初の1年だけだぞ。」と言われたが、お客さんからすれば、1年目だろうが、実際は、緊急の試作のお願いや出荷に前倒しなどの調整をする際に、現場のベテランさんからは、「お前は誰だ!」とか、「言っている意味がわからない。」と一蹴された。

 

また、そこまでひどい対応をする人は少なかったが、お客さんと直接接していない工場側からすれば、私はいい鴨だった。というのも、工場内の生産の方法、設備、工程についての知識が全く無いため、工場側の言い訳に対して切り替えす(代案を提案する等)だけの知識がなかったからだ。

 

このような、お客さんからの要求と工場側の言い分の間に挟まれて何もできずにパニックたことも何度もあった。

 

部活での先輩から後輩のいびりと一緒で、

「自分はやられて嫌だったこと、自分は同じことを絶対にしないぞ。」と心に決めていたことを、新入社員が入って自分が先輩の立場になると同じことをしちゃうんですよね。

 

喉元

俺も苦しんでここまで来たんだから、あいつ(後輩)も同じように苦しむべきだとか、

 

与えるものは幸いである、情けは人の為ならずという言葉にもある通り、自分の経験やノウハウを他人に教えてしまったら、自分の座(優位性)が危うくなるのではと思ってしまうが、他人に教えるからこそ自分の理解度は高くなければいけないし、自分が誠意を持って相手に与えれば、いつか巡り巡って自分にも帰ってくるはずだと私は信じる。